散歩の途中に、ハギが咲いていた。赤紫と白のハギが枝垂れ、秋風に揺らいでいた。ハギは「萩」と艸(草冠)に秋と書くように、秋の草で、秋の七草のひとつになっている。
「萩」というと、仙台銘菓「萩の月」を思い浮かべる。仙台に出張した際の、土産物の定番であった。古く歌に「宮城野の萩」として歌われ、萩は宮城県の県花にもなっている。
萩の花は、仲秋の名月のころ咲くことから、萩と月は切っても切れないような取り合わせである。
もうひとつ「萩」で思い浮かべるのは、山口県の萩市である。こちらは萩の花の名所ということではなく、毛利氏が指月山の麓に萩城を建てたところから萩藩と呼ばれた。やはり月と関わりがあるのだろうか、ただ萩の名前の由来は諸説あるようだ。
萩藩は、幕末から明治にかけて長門・周防をあわせ長州藩として、英傑を何人も輩出した。彼らによって、日本の近代の「国のかたち」がつくられた。その生没を並べてみると、
吉田松陰 1830-1859
木戸孝允 1833-1877
井上馨 1836-1915
山縣有朋 1838-1922
高杉晋作 1839-1867
久坂玄随 1840-1864
伊藤博文 1841-1864
ほぼ10年の間に、こうした英傑が長州藩で生まれている。ペリーの来航が1853年、そして明治になったのは1868年、幕末から維新をリードした長州人だ。
ハギの花とは関係ない話になってしまいましたが、秋の草「萩」の花から、いろいろ思い浮かべ、「萩の月」を食べて「食欲の秋」を、そして「萩藩」から、幕末維新の英傑に関しての「読書の秋」を楽しみしたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿