高島野十郎《夏の池》 |
先に高島野十郎展@千葉県立美術館のうち、「光と闇」を表わす《蝋燭》《月》《太陽》を観てきましたが、他にも素晴らしい風景画がありました。とくに石神井公園を描いた2枚は、この公園に何度が足を運ぶことがあるので、魅入ってしまいました。
今回は、高島野十郎の作品とともに、公園を歩いてみました。
1.石神井公園
石神井公園には、三宝寺池、石神井池の2つがあり、そのうち三宝寺池は、井の頭池、善福寺池と並び、武蔵野三大湧水池として知られている。池の周囲は、三宝寺池沼沢植物群落となっている。いっぽう、石神井池は1934年に造成され人工的に作られた。ボート遊びができるので、通称、ボート池と呼ばれる。公園全体は、この二つの池を中心に緑が広がり、春の桜、秋の紅葉、そして水鳥たちなど、いつでも楽しめる公園である。
2.高島野十郎の作品
野十郎は、この公園にある二つの池を描いている。
(1)《夏の池》 昭和31年
この三宝寺池は、畔にある厳島神社附近から描いたと推定されている。対岸を覆う緑と水面から延びる若葉がみずみずしい。
(2)《上石神井池》 昭和40年頃
《夏の池》とは対照的に、対岸の林も水面の草もすべてが冬枯れとなり、寒さと静けさが画面から伝わってくる。なお、こちらは未完で点描風のままに残っている。
3.二つの池を歩く
以前、撮った写真も加えて二つの池を見る。
(1)三宝寺池
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厳島神社と浮御堂 |
池に張り出す浮御堂 |
浮御堂からの三宝寺池の眺め |
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シラサギの営巣 |
(2)石神井池
高島野十郎の絵とともに池の周りを歩いてみました。当たり前ですが、野十郎の描く風景の素晴らしさにあらためて感動しました。厳島神社の向かいに穴弁天(宇賀神社)があり、小さな鳥居があります。ここに木漏れ陽が当たり、朱の柱が燃えるようにゆらめいていました。まるで、野十郎の《蝋燭》を想起させるようで何枚かシャッターを切りました。
穴弁天(宇賀神社)の鳥居
穴弁天(宇賀神社)は、厳島神社社殿の向かいの岸にある境内社。洞窟の奥には、三宝寺の底より発見されたと伝える宇賀神の像が安置されている。鳥居は最近、新たに塗り替えられたようだ。
穴弁天(宇賀神社)の鳥居 |
穴弁天(宇賀神社)の鳥居 |
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