2020年2月2日日曜日

東京異空間21:お台場

汐留からゆりかもめに乗って、お台場まで行ってきました。
 
第3お台場:お台場公園
嘉永6年(1853年)、ペリー提督率いる艦隊が浦賀に停泊し開国を要求、いわゆる黒船来航である。江戸幕府は返答に1年の猶予を求め、ペリーは1年後に再来日すると告げて去っていった。
そのため幕府は、海防強化を急ぎ、品川沖に砲台を11基から12基建設するよう計画した。砲台の設計は伊豆韮山の代官、江川坦庵に任せられた。大量の建設資材の調達は、木材は千葉や八王子付近から、石材は伊豆や相模などから、埋め立て用の土は品川の御殿山などを崩して運び込んだ。
この工事は、ペリーが帰ってから1か月後に作業が開始され、8か月後には第1から第3台場が完成している。しかし財政難もあり8基以降は未着手となる。(そのうち、現在まで残るのは、この第3台場と第6台場のみ)。
翌年、ペリーは約束通り再来航し、江戸湾深く小柴沖まで進んで、交渉地を横浜にさせた。幕府は2度目の黒船来襲に備え、この台場に佐賀藩で作らせた洋式砲を据えた。(「80ポンド青銅製カノン砲」といわれ、現在、靖国神社・遊就館に屋外展示されている)
結局、幕府の方針変更により日米和親条約の締結に進んだため、この砲台は一度も火を噴くことなく開国することになった。
なお、幕府が造ったものということで「御」をつけて「御台場」と呼ばれた。(のちに東京都が進めた臨海埋め立て地とつながり「お台場」となったという)
台場は一辺がおよそ160mのひし形をしていて、5m~7mほどの高さの石垣が支える人工島台場の周囲を取り巻く土塁の上には西側の海に向かって大砲の台座が置かれているが、これは昭和初期にコンクリートで作られたレプリカ。
土塁の内側には、かまど跡(これもレプリカ)や、陣屋跡、火薬庫跡が残っている。
もうひとつ第6台場は、レンボーブリッジの橋げたのすぐ近くに当時のまま残っているが、1926年以降立ち入りは禁止となっている。そのため野鳥保護区として学術的にも貴重な場所となっているという。
また、近くには、昭和初期に防波堤として作られた鳥の島があり、多くの鳥が住み着いたことから鳥の島と呼ばれるようになったという
 
砲台跡

砲台跡

80ポンド青銅製カノン砲:靖国神社・遊就館前

かまど跡

かまど跡

陣屋跡

火薬庫跡

火薬庫跡

見事な石積み
第6台場

レインボーブリッジ近くの第6台場

第6台場

鳥の島

鳥の島
防波堤の鳥の島も

品川沖の西側

この第3台場、いまはお台場公園へは、汐留からゆりかもめに乗ってお台場海浜公園駅でおりて、海辺をゆっくり歩いても10分はかからないか。。(帰りはお台場前からバスでレイボーブリッジを通り品川駅港南口に出た)
新交通ゆりかもめ・汐留駅

ゆりかもめ:レインボーブリッジを通る

お台場海浜公園駅を降りて

「ゆりかもめ」は新橋と東京臨海副都心を結ぶ交通機関として、1995年平成7年)11月1日新橋駅 - 有明駅間が開業した。なお、正式名称は「東京臨海新交通臨海線」という。
お台場の海辺は、東京2020オリンピックのトライアスロンなどの競技場になっていることから工事が進められている。(3月まではお台場公園まで行けるようだ)

海辺のユリカモメ

浜辺に休むカモやカモメ

ここでトライアスロン競技などが

お台場エリアには、ホテルをはじめグルメ、ショッピングなどが多く作られ若者にも人気のスポットとなっている。ここのランドマークとなっているのがフジテレビの建物。
フジテレビは、1979年(昭和54年)に新宿区河田町から、この臨海副都心に移転した。設計は丹下健三によるものであり、彼が手掛けた巨大プロジェクトの中で最後に直接指揮をとった建築物だという。とりわけ、建物の中心にある球体が特徴となっている。これは展望台となっていて「はちたま」と呼ばれている。
向こうにフジテレビ

フジテレビ

フジテレビ:球体展望台「はちたま」

また、お台場公園の近くにはレインボーブリッジが通っている。1993年(平成5年)に開通したこの橋の正式名称は「東京港連絡橋」という。「レインボーブリッジ=虹の橋」というのは一般公募による愛称だそうだ。夜景のスポットとしてもよく知られている。
 
レインボーブリッジの下に東京タワーも

高層ビル群の間に東京タワー


お台場から芝浦方面

レインボーブリッジの下から高層ビル・タワーマンション群

江戸から明治にかけて、日本の西欧化=近代化へのエポックメーキングとなった黒船来航。その後も、一度も火を噴くこともなく歴史の表舞台になることもなかった御台場。
昭和初期から、人の立ち入りを禁止し、いまや野鳥など自然が残る人工島。
昭和から平成にかけて、臨海副都心として埋め立て開発され、お台場として人気のエリア。
レインボーブリッジの下から見えるは、高層ビルや、タワーマンション群、その間には東京タワー。
令和になって、東京2020オリンピックの会場となるベイエリア。
こうした歴史的ギャップをお台場に見ることもできる。そこは、「東京異空間」の一つ。
スイセン越しにレインボーブリッジ

根の間からサツキも?

早くも桜がほころぶ

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