猛暑が続くこの夏。先日、竹橋の皇居周辺を歩きました。お濠の淵には、柳とともにサルスベリの花が咲いていました。
この時期に咲く花は少ないですが、近所で、サルスベリ、そして夏の花と言えばヒマワリを撮ってみました。
1.皇居お濠周辺
2.サルスベリ(近所で)
3.ひまわり
4.ハイビスカス
ところで、夏の花と言えば、原民喜の『夏の花』が、広島での被爆体験をもとに書いた小説として知られています。その冒頭の一部を引いておきます。
「私は街に出て花を買うと、妻の墓を訪れようと思った。・・・八月十五日は妻にとって初盆にあたるのだが、それまでこのふるさとの街が無事かどうかは疑わしかった。恰度、休電日ではあったが、朝から花をもって街を歩いている男は、私のほかに見あたらなかった。その花は何という名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかった。
炎天に曝されている墓石に水を打ち、その花を二つに分けて左右の花たてに差すと、墓のおもてが何となく清々しくなったようで、私はしばらく花と石に視入った。この墓の下には妻ばかりか、父母の骨も納っているのだった。・・・それから、饒津(にぎつ)公園の方を廻って家に戻ったのであるが、その日も、その翌日も、私のポケットは線香の匂いがしみこんでいた。原子爆弾に襲われたのは、その翌々日のことであった。」
今年は、戦後80年という節目の年。東京国立近代美術館で「記録をひらく
記憶をつむぐ」と題した、戦争画のコレクションを観てきました。訪れたのは8月14日でした。美術展については別にまとめたいと思います。