金唐革紙をご存知でしょうか?
訪れたのは不忍池の近くにある旧岩崎邸、ここに金唐革紙があります。以前、見たときに擬似洋風づくりの技術はすごいと思いましたが、その後、他で見る機会がほとんどなく、関心も薄れていました。今回、あらためてみて、伝統的技術の素晴らしさとともに、その美しさに感心しました。
金唐革紙は、和紙に金属箔をはり、花鳥などの文様を版木に当てて凹凸を打ち出し、彩色した壁紙をいう。柱などにも使われ、日本の伝統技術でいかにも洋風な室内を造り出しています。
洋館から船底天井でつながる和館は、書院造となっています。明治期の大邸宅では洋館と和館を並べて建て、洋館は迎賓館として、和館は私的生活館と使われていて、ここ岩崎邸もそうですが、他にも前田侯爵邸(駒場)もそのように造られています。
和館の前には大きな沓脱石が置かれ、庭に続く飛び石も大きな石が使われてます。庭は洋館とつながり広いために、このような大きな庭石が使われ、庭の奥には、これまた大きな灯籠が置かれています。和館から庭を眺めるのは、このぐらい大きなものが必要だったのでしょう。もちろん富の誇示もあるでしょうが。
洋館の横には(地下通路でつながっているそうだ)には、撞球室が建てられている。この山小屋風の建物もコンドルによるもので、内壁には金唐革紙が使われている。
話の順序が逆になりましたが、岩崎邸のエントランスは、両側から大きな樹々が覆ったゆるやかなカーブをとる坂道を上がっていきます。この道を歩くと、一見、イスラム風とも思えるような建物、明治期の異空間に出会うことができます。
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