2022年7月17日日曜日

思い出のアルバム7~光の芸術

東京ジャーミイ


Googleフォトから「光の芸術」という、グッとくるようなタイトルで過去の写真を選んできました。

今回も、思い出のアルバムの中から編集してみました。


1.教会

(1)聖アンセルモ教会2022.6撮影)

すでに拙ブログでも取り上げた、聖アンセルモ教会。建築家・アントニン・レーモンドの設計により、1954年に建てられた

礼拝堂の後ろにはパイプオルガンとステンドグラスが輝いている。


(2)東京カテドラル聖マリア大聖堂2021.5撮影)

東京カテドラルは、東京オリンピックが開催された年、1964年に、代々木競技場を手掛けた丹下健三によって設計された。

当時の日本の建築家を代表する3人、前川國男、谷口吉郎、そして丹下健三による指名コンペで、丹下に決まったという。

HPシェル(貝殻構造)といわれる銀屋根が太陽の光を浴びて輝く。


(3)東京ジャーミイ2019.7撮影)

元は、1938年に竣工した東京回教礼拝堂が取り壊され、2000年に新しく東京ジャーミイとして建てられた。現代のトルコの代表的建築家による設計で、トルコ本国から技術者や工芸職人が工事にあたった。

モスクの美しさが、光に輝き、異文化を感じさせる。


(4)築地本願寺2019.9撮影)

現在の本堂は1934年に竣工した。設計は伊東忠太であり、インド風の様式も取り入れた異空間となっている。

扉の上のステンドグラスは仏教寺院にみられる花頭窓もモチーフとしている。


聖アンセルモ教会

聖アンセルモ教会

東京カテドラル聖マリア大聖堂

東京ジャーミイ

東京ジャーミイ

築地本願寺


2.邸宅

(1)旧朝香宮邸(東京庭園美術館)2019.9撮影)

現在は東京都庭園美術館となっている朝香宮邸は、1933年フランスの芸術家アンリ・ラパンに設計を依頼したアール・デコ様式の美しい建築である。

玄関入り口には、ルネ・ラリックのガラス彫刻が、光の中から浮かび上がるように飾られている。


(2)旧前田家本邸2019.2撮影)

旧前田家本邸は、旧加賀藩主で前田家第16代当主の利為(としなり)が自邸として建てた。昭和4年(1929)に洋館が、昭和5年に和館が竣工した。

洋館の窓のステンドグラスも美しいが、和館の細工が施された窓から漏れる光が美しい。

設計監督は、東京帝国大学教授であった塚本靖(つかもと・やすし)で、実際の設計は、洋館が宮内省内匠寮工務課技師の高橋貞太郎、和館が帝室技芸員の佐々木岩次郎が行った

高橋貞太郎(1892-1970)は、聖徳記念絵画館や学士会館、高島屋日本橋店などを手掛けている。また、川奈ホテル、上高地ホテル、赤倉ホテルなどホテルも手掛けており、有名なのはライトによる帝国ホテルのあとの新館を手掛けている。


(3)旧鳩山邸(鳩山会館)2021.5撮影)

鳩山一郎の邸宅、目白・音羽に建てられたことから、音羽御殿とも呼ばれた。設計は一郎の友人であった岡田信一郎(1883-1932)で、早稲田大学の教授となり、今和次郎、吉田五十八、など多くの後輩を育てた。

日銀の小樽支店、歌舞伎座(現・歌舞伎座は隈研吾)などの設計にかかわり、ニコライ堂(コンドル設計)、日本赤十字社(妻木黄廣設計)の修繕も手掛けている。

窓のステンドグラスは小川三知によるもので、日本初めのステンドグラス作家である。デザインは、三重塔や鳩など日本的情感が光からこぼれてくる。


(4)萬翠荘2017.5撮影

 旧松山藩主・久松伯爵の別邸で、1922年に建設されたフランス風の建物である。 木子七郎(1884-1955年)による設計で、隣に建つ愛媛県庁も手掛けている。

坂道を上がっていくと、この 萬翠荘があり、室内も素晴らしく、階段にある窓のステンドグラスを透る光は、建物の風格を漂わせる。


(5)ドラード和世陀2019.7撮影

早稲田大学の近くに建つ、かなり変わった建物で、マンションとなっている。設計は梵寿鋼という「日本のガウディ」といわれる建築家による。ドラードはスペイン語のエル・ドラード(黄金郷)から来ている。

建物の外観も異様だが、中もかなり変わっているつくりで、天井から大きな手がぶら下がったスペースや、マンションのエレベータの扉も花模様で飾られている。仲間の工芸家、彫刻家との共同により造られたという。


旧朝香宮邸・ルネラリック

旧朝香宮邸・ルネラリック

旧朝香宮邸

旧朝香宮邸

旧前田家本邸・洋館

旧前田家本邸・洋館

旧前田家本邸・和館

萬翠荘

鳩山邸

鳩山邸

鳩山邸

鳩山邸

ドラード和世陀

ドラード和世陀

Googleフォトの編集は、やはりAI(人工知能)によるものでしょうか、こちら側がうまく乗せられてしまいます。今回も、「光の芸術」というテーマに魅かれ、また自分の古い写真を編集してみました。

写真では、こうした編集プロセス自体がアートだといわれます。Artの原義は「技術」ということですが、まさにAI(Artificial Intelligence)というArt(技術)が、アート(芸術)にまでなるということでしょうか?

しかし、ヴァーチャルなGoogleによって編集するということは、自分で考え、編集するといった主体性(≒アート)が、どこか失われていくような気もします。デジタル化社会の陥穽なのでしょうか。


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