2020年1月22日水曜日

ギャラリー点描:銀座から京橋

銀座から京橋にかけてギャラリーをのぞいてきました。

まずは、シャネル・ネクサス・ホールで開かれている「ヤコポ バボーニ スキリンジ展」。シャネルのビルに入るのはドア・マンがいて躊躇してしまうが、思い切って入ったら奥にあるエレベータに直行する。4階に上がると、薄暗い会場に写真が展示されていて、静かに音楽が流れている。
ヤコポ バボーニ スキリンジは1971年生まれの現代音楽作曲家という。2007年から実験的に人体に楽譜を書く、新しい作曲法へ取り組み、今回は、その写真を展示している。ギャラリーは、人体(モデル)、写真、音楽が一体となった不思議な空間を構成している。(2月16日まで)





エレベーターのドアは、キラキラと色が変化し輝く。いかにもシャネルらしいデザインだ。


次に入ったのはポーラ ミュージアム アネックスで開かれている「無形にふれる」という展覧会。3階に上がると贈られた見事な花輪が置かれている。

能、京舞、神楽といった伝統文化から、「無形にふれる」というコンセプトで、新たな美意識を呼び覚ますかのように、ギャラリーがデザインされている。もっとも興味が引かれたのは、石見神楽に使われる大蛇(おろち)と豪華絢爛な衣装だ。(2月16日まで)









もうひとつ、京橋にあるLIXILギャラリーに入った。ここでは「ものいう仕口」という白山麓で集められた民家の木材で構成される展示。「仕口」というのは、和風建築で部材を直角またはある角度で接合すること、また、その接合部分を指すという。民家の柱などに使われていた部材は、太く生き抜いてきた力強さを感じさせるとともに、このように並べられると素朴な美しさを感じる空間を作っている。(2月22日まで)



別の部屋では、「白磁のかたち高橋奈己展」が開かれていた。高橋奈己という若手陶芸家の作品である。鋭いエッジとゆるやかな曲線から美しい陰影を生み出し、ギャラリーを一つの造形世界にしている。(1月21日まで)



京橋を歩いていると、ギャラリーではないが、尖塔を乗せた建物を見つけた。これは、相互館110タワーという第一生命の所有する建物。実は今のは3代目で、初代は辰野金吾の設計により1921年に竣工した。しかし、辰野は1919年に本館の完成を見ることとなく急逝した。辰野<堅固>といわれるように建物は関東大震災でも倒壊することはなかった。(辰野金吾については、このブログ「東京異空間19:日本銀行から東京駅・辰野金吾」も参照)
現在のものは、当時のイメージを再現して2011年に第一生命保険110周年を記念して建てられた。




美術館では、カメラ×のマークがあり、作品を撮ることはできないことが多いが、ギャラリーだとカメラOKということがあります。今回のいくつかのギャラリー、カメラでその雰囲気、美空間を少しは紹介できましたでしょうか。
京橋を歩くハト

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