2020年は、東京オリンピックが開催される。ここ駒沢オリンピック公園にとっては3度目の東京オリンピックとなる。
最初は、1940年の「幻の東京五輪」といわれるときにメイン会場として計画されたが、日中戦争の影響などから開催権を返上したため、実現しなかった。もともと、ここはゴルフ場であったところで、スケールの大きな会場が岸田日出刀らによって計画されていたのだが。
つぎは1964年の東京オリンピックの時に国立競技場を第一会場とし、第二会場として駒沢にオリンピックの施設が造られらた。体育館ではレスリング、陸上競技場がサッカーの会場となった。また屋内競技場はバレーボール、あの東洋の魔女と言われた日本女子チームが金メダルを取った舞台となった。現在は解体され、新たな屋内球技場となっている。
中でもオリンピックの記念塔が五輪のシンボルとして、十三重塔を思わせる洗練された姿で建っている。管制塔としてテレビ中継の通信や、交通管制、電気・水のコントロールを行う施設であった。設計は芦原義信で、旧ソニービル、東京芸術劇場などの設計を手がけたことでも知られている。
体育館も芦原義信の設計によるもので、八角形の屋根を持つ独特なフォルムとなっている。
そして、3度目が今年の東京2020オリンピックで、競技会場とはなっていないが、サッカー、ラグビー、バレーボールの練習会場として活用されることになっている。
戦争から高度成長を経たオリンピックの歴史を知る「五輪の聖地」として、令和のオリンピックは、どのように語られるようになるだろうか。
いまは住民の憩いの場ともなっている広々とした公園に、時代の流れをみてきた、すぐれた建築が、またひとつの異空間を形成している。
記念棟(管制塔) |
体育館・八角形の屋根 |
体育館 |
中央広場に立つ記念塔 |
陸上競技場:設計は村田政真 |
陸上競技場 |
陸上競技場 |
屋内球技場:かっての東洋の魔女の舞台 |
なお、写真の一部は白黒で処理してみました。
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