練馬の名木にも指定されているマルバヤナギの巨木です。今年3月下旬に初めて見たのですが、今回訪れたときには、緑の葉をたくさん付け、こんもりとしていました。
柳といえば、シダレヤナギはよく知られていますが、こちらのマルバヤナギは名前の通り葉が丸みを帯びています。水辺を好む樹で、この樹の下にも白子川が流れています。
湧水池があり、大泉井頭(いがしら)公園となっていて、子供たちは水遊びもできます。
公園の端に2本のマルバヤナギがあり、どちらも高さ10メートル近く、太さ2メートルを超える巨樹です。
じつは、3月に「牧野記念庭園」2021.3.31としてこの樹についてもアップしています。その時は、葉がすっかり落ちた状態でした。感想として「近くに住んでいながら、このような巨樹があることは知らなかった。4月に入って新緑の季節になったら、また来てみたい。」と書いていました。
マルバヤナギは、アカメヤナギともいわれ、新芽が赤くなるそうです。5月ごろには黄緑色の花を穂状につけるという。
近くなので、来年の春にかけて新芽、穂状の花を見に、またまた来てみたいものです。
柳に因む物語として、小泉八雲の『怪談』の中に「青柳ものがたり」という作品があるので、追記しておく。
若い武士が青柳という美女と山里で知り合い妻に向かえるが、本体である柳が切り倒されることになり、妻でいることができなくなり、武士の前から消えてしまう。その最後の場面で青柳は言う。「わたくしは人間ではないのです。わたくしは木の精です。木の魂がわたくしの心なのです。柳の精がわたくしの命なのです。」
八雲はこの作品で、人は樹齢の高い木を無造作に切り倒し、自然破壊を無意識に犯してしまう、そうした人間の無慈悲な行いを批判しているようである。
樹に宿る精霊、そうした霊性こそが、自然を豊かに、人間を優しくしているものではないか。このマルバヤナギの巨樹を見て、「青柳ものがたり」を読むと、あらためて、そうした霊性を感じることが失われてきているようにも思う。
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