2022年5月26日木曜日

東京異空間62:二つの美術展を観た~メトロポリタン美術館展と大英博物館「北斎」展

 


美術展に出かけるのは2年ぶりになります。欲張って二つの美術展を観てきました。

国立新美術館で開催しているメトロポリタン美術館展とサントリー美術館で開催している大英博物館所蔵の北斎展の二つ。


1.メトロポリタン美術館展~国立新美術館

(1)メトロポリタン美術館の名画

メトロポリタン美術館が所蔵する西洋絵画の珠玉の名画が65点が展示され、初期ルネサンスからポスト印象派までの西洋美術史の概略がたどれる企画であった。そのうち最も関心があり観たかったのは、次の三点。

・カルロ・クリベッリ「聖母子」1480年頃

 左端に小さく描かれているのは蠅。罪の象徴とされる。

カルロ・クリベッリ「聖母子」


・カラヴァッジョ「音楽家たち」1597年

 右から二番目は、カラバッジョの自画像といわれている。

カラヴァッジョ「音楽家たち」


・ジャン=レオン・ジェローム「ピュグマリオンとガラテア」1890年頃

 ギリシア神話のの物語で、ピュグマリオンが自ら彫刻した女性像に恋をして、ヴィーナスに祈ったところ、願いが叶い彫刻に命が吹き込まれた。硬い大理石が美しい肌を持つヌードに変身し、キスをする様子が描かれている。

ジェローム「ピュグマリオンとガラテア」


(2)メトロポリタン美術館

メトロポリタン美術館はニューヨーク・マンハッタンにある世界三大美術館のひとつといわれ、1870年に開館ている。世界中の芸術作品が所蔵されているが、そのうち日本美術においても尾形光琳など、国内であれば国宝級の作品も所蔵している。


メトロポリタン美術館


(3)国立新美術館

六本木にある国立新美術館は、黒川紀章の設計により2007年に開館した。「森の中の美術館」をコンセプトに設計された建物は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美しい曲線を描き出している。内部は10以上の展示が可能な広いスペースがあり常に大きな企画展が開かれる。ただし、この美術館として所蔵している作品はない。


国立新美術館正面

国立新美術館・入口

ガラスのカーテンウォール

国立新美術館のロゴマーク「新」

館内からみたカーテンウォールの曲線

館内からみたカーテンウォールの曲線











円錐形の正面出入口

2.大英博物館・北斎展~サントリー美術館

サントリー美術館入口

(1)北斎

北斎は、印象派をはじめとする西洋絵画にも大きな影響を与え、いまでは世界中で一番よく知られている日本人といえる。もちろん富嶽三十六景などの浮世絵がよく知られているが、最近でも肉筆画をはじめ多くの作品が新たに発見されている。「万物絵本大全図」という本の挿絵として制作されたが、未出版となった作品計103点が大英博物館に収まったというニュースもある。

この展覧会は、大英博物館が所蔵する北斎の作品とともに、大英博物館に北斎作品を納めたコレクターたちにも着目して展示ている。

北斎「為朝図」


また、九州国立博物館でも、北斎展が開催されている。こちらは、83歳を迎えた北斎が「日新たに魔を除く」ことを願い、ほぼ毎日描いたという「日新除魔図」が219枚全て公開されている。

左が九州国立博物館、右がサントリー美術館の図録


(2)大英博物館

大英博物館は、イギリス・ロンドンにある博物館で、175年に設立された。大英帝国時代に世界中から収集された人類の文化の始まりから現在までの美術品等を包括的に収めている。

(3)サントリー美術館

サントリーの文化活動の一つとして1961年に東京・丸ノ内にオープンした。その後、赤坂に移転し、2007年にいまの東京ミッドタウンに移転した。美術館の設計は隈研吾による。

サントリー美術館が入る東京ミッドタウン






ミッドタウンにある宝石店のウィンドウ

メトロポリタン美術館と大英博物館という世界を代表する美術館の所蔵する、西洋絵画と日本の浮世絵を併せてみることができ、ここしばらく美術展に行かれなかった渇きを一挙に癒すことができました。

人気のある展覧会で、どちらの美術館も相当な人出がありました(大丈夫なのかなぁ?と心配したりして)。

これからも徐々に、観たい美術展を選んで出かけられればと思います。

メトロポリタン美術館も大英博物館も行ったことがありますが、これから、また海外に行ける機会は・・・。しかし、東京・六本木にある国立新美術館、そしてサントリー美術館は、「東京異空間」を十分に堪能できるところです。

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