2020年11月16日月曜日

伊豆の旅Ⅵ:伊豆の仏像

 

地蔵菩薩像・岩科学校付近

今回の伊豆の旅でも、いろいろな仏像・石仏に出会うことができた。

 

1.上原美術館

下田からバスで松崎に向かう途中に、相玉(あいたま)温泉があり、里の風景を見ながら上原美術館に向かう。

この美術館には、近代絵画コレクションと仏教美術コレクションがあり、前者は大正製薬の社長であった上原昭二、後者はその親の上原正吉のコレクションである。ちょうど「知られざる伊豆の仏教美術」という企画展が開かれていた。地蔵菩薩像や毘沙門天像が展示されていて、伊豆の修験者や、武士の信仰を垣間見ることができる。

また、館内には上原氏のコレクションによる数多くの仏像が展示されていて壮観である。これらは近現代の作であるが、これだけいろいろな仏像があると、体系的にも鑑賞することができる。

美術館のそばには下田達磨大師の向陽寺と大師堂があり、ここには多くの石仏が並んでいる。

上原美術館・上原正吉夫妻像

上原美術館・仏教美術コレクション



鷲のマークの大正製薬

向陽寺

向陽寺・石仏

向陽寺・石仏


 

2.寝姿山・愛染堂

下田のロープウェイで寝姿山の上がると、山頂に愛染堂がある。お堂は、法隆寺の夢殿を3分の2の大きさで再現したものだという。ご本蔵は元鎌倉八幡宮にあった愛染明王像で、運慶の作といわれている。

愛染堂

愛染明王


 

3.長楽寺

下田の長楽寺には、なまこ壁をバックに如来、菩薩、明王など多くの仏像が並んでいる。

長楽寺

長楽寺


 

4.浄泉寺

松崎には、浄感寺の斜め向かい側にある下伊那神社と並んで、浄泉寺がある。なまこ壁の塀に囲まれ、朱の山門、経堂、本堂のある立派なお寺である。本堂の欄間には浄感寺と同様、石田半兵衛の透かし彫りがある。また、裏手には清水の湧く池もあり、近くには石仏が置かれた仏の小径がある。

浄泉寺

浄泉寺

仏の小径

仏の小径

仏の小径


 

5.岩科学校付近の地蔵菩薩

重文岩科学校バス停を降りると、大きな地蔵菩薩の石仏があった。村人に愛されているお地蔵さんなのだろう、赤い帽子とよだれ掛けが可愛い。

地蔵菩薩


 伊豆の仏像といえば、伊豆長岡の願成就院の運慶作の阿弥陀如来坐像や不動明王、毘沙門天など極めて優れた仏像があり、2年前に訪れたことがある。奈良仏師である運慶の仏像が伊豆にあるということは、この時代の武士の信仰の強さを表しているのだろう。願成就院の諸像は北条氏によるものだという。

上原美術館の「知られざる伊豆の仏像」にも毘沙門天像などがあり、また寝姿山の愛染堂にある愛染明王像も運慶作といわれているという。


いまは、早くコロナが収まるよう、アマビエに願いを。



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