2024年5月12日日曜日

東京異空間199:緑のオアシス~東大・田無演習林


田無演習林

西武線・田無駅から徒歩15分ぐらいのところに、東大の田無演習林があって、平日は一般に公開されています。新緑の中を歩いてきました。

1.東大・演習林

東大の演習林は、森林や樹木、林業に関する研究と教育の場を提供することを目的として設置されている。

東大演習林の始まりは、1894(明治27)年に房総・清澄に設置された千葉演習林であり、以来、北海道演習林(1899(明治32)年)、台湾演習林(1902(明治35)年)、朝鮮演習林(1912(大正元)年)、樺太演習林(1914(大正3)年)、秩父演習林(1916(大正5)年)、生態水文学研究所(1922(大正11)年、愛知・瀬戸、犬山、静岡・新居町)、富士癒しの森研究所(1925(大正14)年、山中湖)、樹芸研究所(1943(昭和18)年、静岡・伊豆)が次々と設置され、亜寒帯から亜熱帯まで、海岸から亜高山帯までの森林における教育研究の場として活用されてきた。

現在は、北海道から愛知までの広い範囲に7地方演習林を有し、その総面積は山手線内面積の5つ分に当たる32,300 haにおよんでいるという

2.田無演習林

田無演習林は、1929(昭和4)年 に東京帝国大学農学部林学科田無苗圃として林学第二講座(造林学研究室)によ って創設された。

西東京市に位置する田無演習林は本郷キャンパスに最も近い演習林で、設立当初はアカマツやクヌギを主体とした典型的な武蔵野の雑木林であったが、その後、日本各地や海外から多数の樹種や品種が導入された。そのため、非常に多様な樹木が混在している。また、都市に中にある森林として、一般公開されており、緑のオアシスとなっている。

セミナーハウス

ホウショウ(クスノキの変種)

アカマツ

アカマツ・幹

ダイオウショウ

ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの木)

スギ林

メタセコイア

メタセコイア

ヒノキ林





モミジ

ハンカチノキ

ハンカチノキ

ホウノキ

ユリノキ


ヘビイチゴ


ミツデカエデ

ホウノキ

コミスジ




3.石幢六角地蔵尊

演習林のすぐそばの交差点の脇に、小さいが立派な祠をもった石幡六角地蔵尊がある。

この地蔵尊は6つの別れ道に位置し、各面には六道の救い主である地蔵菩薩が浮彫りされ、脚部には南沢道、前沢道、所沢道、小川道、保谷道、江戸道の6つの方向を示す道標が刻まれている。安永8年に建立されものだという。

地蔵は、地獄に落ちて苦しみにあう死者を地獄の入口で救済すると信じられたことから、地獄の入口を村境などにあてはめて、こうした街道の脇に置かれることが多い。

また、「石幢(せきどう)」とは、石でできた幢=旗という意味で、インドではこれを石面に表してストゥーパや仏殿の前に立てた。これが中国から日本にも伝わり、地蔵信仰と結びついて幢,仏龕ともに六角につくられ、一見、石灯籠に似た小型のものが多くつくられたという。

石幢六角地蔵尊

石幢六角地蔵尊

石幢六角地蔵尊・祠

演習林には、枝垂れ桜やナンジャモンジャの木、ハンケチの木など花の咲く木もありましたが、訪れたときには花は見られませんでした。そのかわり、新緑のなかの森林浴でリラックス効果いっぱいでした。

またすぐ近くにあった地蔵尊には、六面に彫られた地蔵菩薩の前に、小さな仏が置かれていて、微笑ましい感じもしました。ランチに寄ったお店には招き猫が置かれていて、こちらも微笑ましい感じがしました。

小さな石仏

招き猫


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