仏像の起源は、西北インドのガンダーラ地方と、北インドのマトゥラー地方(現在はパキスタン)にあるとされています。また、仏教がシルクロードを通って中国に伝わると、多くの仏像が造られるようになりました。
こうしたインドから中国で造られた仏像を東京国立博物館・東洋館で観ることができます。
(参照):
〇インドの仏像
1.菩薩交脚像 パキスタン・ガンダーラ クシャーン朝2世紀
2.飛翔する神像 インド10~11世紀
右手に短剣を持ち体をくねらせて飛翔している。
3.女神像 インド・カジュラーホー チャンデーラ朝10~11世紀
カジュラーホーは、10~13世紀のことで、ヒンドゥ教、ジャイナ教の寺院が数多く残っている。
4.浮彫供養者像龕断片 パキスタン・ガンダーラ3~5世紀
ガンダーラの寺院に造営された仏塔や祠堂などの壁面に貼られた浮彫の像。
5.如来像 パキスタン4~5世紀
肘を懐に収めて右手を胸の前に出すポーズはギリシアの哲学者ソポクレス像に由来する。
6.如来頭部 インド・サールナート グプタ朝5世紀
7.仏鉢供養・菩薩交脚像 アフガニスタン3~4世紀
左右の脚を交差させて坐しているのは弥勒菩薩。
8.菩薩交脚像 パキスタン クシャーン朝 2~3世紀
交脚する菩薩には、弥勒菩薩が多い。
9.如来立像 パキスタン クシャーン朝 2~3世紀
ガンダーラの仏像はギリシア彫刻の影響を受け写実的な表情に特徴がある。ほりの深い顔、波型の頭髪、両肩を覆う衣の流れるような襞にその特色がみられる。
10.如来坐像 パキスタン クシャーン朝 2~3世紀
11.菩薩立像 パキスタン・ガンダーラ クシャーン朝 2世紀
菩薩像は如来像と異なり、豪華な装飾を身につけた王族の姿であらわされた。釈尊が出家する前は王子だったことによる。
12.如来坐像 パキスタン・ガンダーラ クシャーン朝 2~3世紀
後ろの円形は光背を表し、神聖で偉大な神を示している。
〇中国の仏像
1.菩薩立像 山西省 北斉時代6世紀
北斉の皇帝・皇后の聖寿(万才)、国民安泰を祈って造られたと記されている。
2.菩薩頭部 河南省・龍門石窟 北魏時代6世紀
アーモンド形の目、口元に微笑みを浮かべる表情は北魏時代の典型である。
3.観音菩薩立像 河北省 隋時代6世紀
隋の時代に造られた三尊像のうちの一躯。
4.如来五尊像 西魏時代6世紀
火焔光背のなかに如来坐像、二比丘、二菩薩の五尊像を造っている。
5.勢至菩薩像 隋時代6世紀
宝冠に水瓶を伴うことから勢至菩薩とされる。
6.菩薩倚坐像 北周~隋時代6世紀
黄華石と呼ばれる玉製の弥勒菩薩像。
7.菩薩五尊像 北斉時代6世紀
飛天が舞う樹の下で半跏思惟する菩薩像。
8.天尊龕像 唐時代8世紀
中尊は顎髭を生やした老人で、両手をひじ掛けに載せゆったりと座っている。道教の最高神である天尊像を表す。
9.十一面観音龕 唐時代8世紀
10.如来三尊仏龕 唐時代8世紀
11.如来三尊仏龕 唐時代8世紀
インドから中国で造られた仏像を観てきましたが、さらに本館などでは日本の仏像を観ることができます。このあとも仏像の世界を見ていくこととにします。
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