先にインドから中国の仏像を観ましたが、東洋館にはクメールの石仏などの彫刻を観ることができます
クメール彫刻とは、現在のカンボジアの地を中心に栄えたクメール王朝(アンコール王朝とも)の遺品で、中でも11世紀から12世紀にかけて造られたアンコール・ワットはその代表的な遺産として知られています。
これらの石仏は、仏教やヒンドゥー教の神々や聖なる存在を表現しており、クメールの石仏は、宗教的な教えや神聖なストーリーを視覚的に伝える役割を果たしていました。
1.ナーガ上のガルダ カンボジア・バプーオン入口と象のテラス アンコール時代・12~13世紀
鷲の頭に人間の体をもつガルダは、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神の乗り物。
2.ガネーシャ坐像 カンボジア・ブッダのテラス北側 アンコール時代・12~13世紀
象の頭に人間の体を持つガネーシャはヒンドゥー教のシヴァ神の子。太鼓腹で、冨と知恵、そしてあらゆる障害を除く神として信仰された。
3.男神立像 カンボジア・タ・ケオ アンコール時代・12世紀
4.ヴィシュヌ立像 カンボジア・プラサット・オロック アンコール時代・12世紀
手には法螺貝、輪宝、宝珠を持ち、欠けた手には杖を持っていた。
5.女神立像 カンボジア・プレア・コー アンコール時代・11~12世紀
6.ナーガ上のブッダ坐像 カンボジア・アンコール・トム東南部のテラス アンコール時代・12世紀
禅定{ぜんじょう}に入る仏陀(釈尊)を降り続く雨から守るために、蛇神ナーガがとぐろを巻いた体を台座に、7つの頭をさしかけて守る様子をあらわした像。東南アジアでは水を司る神であるナーガに対する信仰が篤く、仏教と結びついてこの形の像が多数造られた。
7.楣(まぐさ=出入口の上の横の梁) カンボジア・タ・セル アンコール時代・11世紀
中央の2頭の象に水を注がれているのは、美と幸運の女神・ラクシュミー。両端の怪魚マカラは生命力あふれる花綱を吐き出している。
8.浮彫アプサラス像 カンボジア・バイヨン アンコール時代・12~13世紀
アプサラスはヒンドゥー教の神話にある乳海攪拌により生まれ出された水の精。
9.浮彫人物像 カンボジア・バイヨン アンコール時代・12~13世紀
10.浮彫人物像 カンボジア・ピミアナカス アンコール時代・12世紀
11.ブッダ三尊像 カンボジア・アンコール アンコ-ル時代・12~13世紀
中央ナーガに坐するブッダ、右の4本の腕を持つローケーシュバラ(観音菩薩)、左にプラジュニャーパラミーター(般若波羅密多菩薩)を表している。
12.楣(まぐさ) カンボジア・プラサート・スララウ アンコール時代・10世紀
象に乗るのは雷神インドラ。
13.女神立像 カンボジア ガムデックベン・ヴィアン アンコール時代・10世紀
腰布にみられるプリーツや、豪華な腹帯はこの時期の女性像の特徴。
14.宝冠仏頭部 タイ アユタヤー アユタヤー時代・16~17世紀
ブッダの頭部の宝冠。彫の深い両目には宝石が嵌め込まれていたという。
15.ナーガ上のブッダ坐像 タイ ラタナコーシン時代・19世紀
博物館ではなく、実際にアンコールワットに行ってこうした彫刻を見てみたいものですが、なかなか海外に出かけることも難しくなりました。
<追加>
〇インドネシアのジャワ地方の影絵芝居「ワヤン・クリ」
「ワヤン・クリ」は、10世紀頃にインドネシアに伝えられた、古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』が、14〜15世紀に影絵芝居で演じられるようになったもの。
「ワヤン」は「影」、「クリ」は「皮革」という意味で、それぞれの人形は水牛の革から切り出され、細かいノミで細部を膨りぬいて、鮮やかな彩色をほどこされてい る。
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