2020年12月24日木曜日

東京異空間29:東京タワーと内藤多仲

東京タワーに登ったのは、いつのころだったか、小学生のころだったか、ほとんど記憶がない。東京に住んでいて、東京タワーを見る機会は多くても、上ることはない。今回、東京タワーの周囲を歩き、展望台まで上ってみた。

 

1.東京タワー

東京タワーは、昭和33年(1958年)に竣工した。着工からほぼ一年半で完成した。高さは333メートル、正式名称は「日本電波塔」という。「東京タワー」という名称は、一般公募され、一番多い票を集めたのは「昭和塔」で、「東京タワー」というのは13位だった。しかし審査員であった徳川夢声の鶴の一声で「東京タワー」と決まったという。

昭和、平成から令和の時代、「東京」タワーという名称で、日本の高度成長のシンボルとして時代の移り変わりを常に見てきたわけだ。「昭和」という名がついてなくてよかった。

 

平成24年(2012年)に東京スカイツリーができて、電波塔としての役割は移行したが、いまでもいざという時のバックアップとしての機能を維持しているという。こちらも、「平成タワー」とならなくてよかった?

 

2.内藤多仲(1886-1970)

東京タワーを設計したのは「塔博士」といわれる内藤多仲。最初に手掛けた塔は「名古屋テレビ塔」1954年、ついで大阪の「通天閣」1956年、「別府タワー」1956年、「さっぽろテレビ塔」1957年、そして「東京タワー」1958年、「博多ポートタワー」1963年と6つの塔を設計している。したがって、東京タワーは五男ということになる。

 

まだコンピューターなどない時代、内藤は計算尺一つで設計したという。こだわったのは「数字のつくった美しさ」だった。

 

3.鳶職

それを実現したのが、鳶職の人たちだ。鉄骨と鉄骨をつなぐ真っ赤に熱したリベットをキャッチボールのように受け止め、ハンマーで打ち付けていく、それが高所でしかも風が強い中で行われる。それも、命綱なしで行われた。まさに鳶職の技の見せ所といったところだ。その数、なんと28万回だったという。


打ち付けられたリベットはきれいに並び、アップしてみると美しい。細部までも美しいからタワー全体が美しく見えるのだろう。芸術的ともいえる。

いまは、こうしたリベットは使わず、ボルトとナットでつなぐという。

 

4.東京タワーを見る

今回、東京タワーをいろいろな角度から見てみた。じっくりと東京タワーを眺めると、その姿の美しさ、作った人たちの素晴らしさを感じた。


(1)東京タワーの周囲から見る

まず、東京タワーを、芝大神宮から増上寺、東京プリンスホテル、旧台徳院霊廟総門、芝公園と、その周囲をめぐってみた。

芝大神宮から


増上寺・参道入口から

増上寺から

増上寺から

熊野神社への参道から

熊野神社への参道から

東京プリンスホテルから

東京プリンスホテルから

有章院霊廟・二天門から

有章院霊廟・二天門から

増上寺・本堂から


増上寺・徳川家霊廟から

増上寺・徳川家霊廟から

増上寺・徳川家霊廟から

増上寺・徳川家霊廟から

増上寺・徳川家霊廟から

増上寺・本堂から


旧台徳院霊廟・総門から

旧台徳院霊廟・総門から


芝公園から

芝公園から

二橋交差点から

タワー下の坂から


(2)展望台・タワーの真下から見る

そのあとタワーの展望台に上った。東京湾から都内のビル群まで一望できる。北東の方向には東京スカイツリーが見える。

下に降りてタワーを見上げると、組上げられた鉄骨の美しさ、打ち込まれたリベットの美しさがある。


タワー内にあるミニチュア

展望台からスカイツリーが

展望台からスカイツリーが

展望台の床

展望台の床下

展望台の床下

展望台の床下

展望台の床下

美しく組まれた鉄骨

美しく組まれた鉄骨




美しく打たれたリベット

美しく打たれたリベット


展望台

 

(3)夜、ライトアップされたタワーを見る

夜、ライトアップされたタワーを有章院霊廟の二天門、プリンスホテル、増上寺辺りから見に行った。

有章院霊廟・二天門

有章院霊廟・二天門から


東京プリンスホテルから

有章院霊廟・二天門から

有章院霊廟・二天門から


熊野神社・参道から

増上寺から


増上寺・参道入口から

ビルの窓に映るタワー

 

(4)庭園からタワーを見る

浜松町の駅を超えて、芝離宮、浜離宮の庭園から遠望した。

浜松町駅付近から

浜松町・世界貿易センタービルから

旧芝離宮から




浜離宮から

浜離宮から
 

(5)隅田川からタワーを見る

浜離宮の桟橋からクルーズに乗って、隅田川からタワーを追ってみた。

終着・浅草に近づくと、今度は東京スカイツリーのお出ましだ。(今回は、こちらにも行ってきたので、別にアップする)

船から浜離宮


御座船・安宅丸から

隅田川クルーズ船から



クルーズ浅草近くからスカイツリー

浅草から見えた東京タワー

 東京タワーができて、60年以上たち、もはや東京の風景には欠かせない存在になっている。日本のシンボルが富士山ならば、東京のシンボルは東京タワーだろう。どちらも遠くからでも見えると、なぜか嬉しくなる。

 

高層ビル群の間から見える東京タワーがつくりだす空間、増上寺など江戸時代からの建物の間から見える東京タワーがつくりだす空間、広い庭園の木々の間から見える東京タワーがつくりだす空間、隅田川の船が起こす波間に見える東京タワーがつくりだす空間、そしてなんといっても鉄骨と鉄骨がつくりだす空間、こうした空間は、やはり「東京異空間」のひとつだ。

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