SOMPO美術館で開催されている「ロートレック展 時をつかむ線」を観てきました。この展覧会は、*フィロス・コレクションによる240点で、素描、版画、書籍への挿絵、手紙、写真などで構成されていました。展示作品のうち、ポスターなどの一部が撮影可となっていましたので、それらを中心にまとめてみました。
また、SOMPO美術館のあと、住友三角ビルに久しぶりに寄ってみました。
*フィロス・コレクション
米国のベリンダとポール・フィロス夫妻が、20年以上にわたり収集しているロートレック作品の個人コレクション。
1.ロートレックのポスター
ロートレック(1864-1901)は、南フランスの伯爵家の息子として生まれ、幼いころから絵を描くことに関心を抱いていた。しかし、13歳のとき左大腿骨を、14歳の時に右大腿骨を骨折し、以降脚の発育が停止し、成人した時の身長は152cmに過ぎなかった。病気により孤独な青春時代を過ごしたが、1882年にパリに出て絵を学ぶ。モンマルトルにアトリエを構え、そこに生きる歌手や芸人、娼婦たちの姿を描いた。なかでも素早い描線と大胆な構図を活かしたポスターが一世を風靡した。
ポスターはロートレックの代名詞といわれ、展示されていたのは、ロートレックのポスターのうち、二人のモデルのポスターである。
(1)アリスティド・ブリュアン
ブリュアンは、歌手・作曲家で、パリ・モンマルトルのキャバレーやナイトクラブで活躍した。客として来ていたロートレックと親しくなり、自らの店にロートレックの絵を飾り、シャンソンの挿絵などの制作を依頼した。
カフェ・「エルドラド」での公演依頼を受けたブリュアンはロートレックにポスターを依頼した。
アリスティド・ブリュアン(文字のせ前) エルドラド、アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレにて アリスティド・ブリュアン 今回の展覧会ポスター・アリスティド・ブリュアン ロートレックの特徴あるサイン
(2)ジャヌ・アヴリル
アヴリルは、ムーラン・ルージュ で活躍したフレンチカンカンのダンサー。
劇場を改装したコンサート・スペースは 、ル・ディヴァン・ジャポネ(le Divan Japonais)と名付けられ、内装も日本風に飾られた。
アヴリルは次のように回想している。
「私が名声を得たのはロートレックのおかげです。それはあの方が描いた最初のポスターが出たときから始まったのです」
ディヴァン・ジャポネ |
ディヴァン・ジャポネ 今回の展覧会ポスター・ディヴァン・ジャポネ
(3)「ラ・ルヴュ・ブランシュ」誌
描かれているのは、タデ・ナタンソンの妻ミシアのスケート姿。
(参考):
『ロートレック作品集』安井裕雄 東京美術 2024年
2.SOMPO美術館
SOMPO美術館については、さきに「北欧の神秘」展で述べているが、今回も移動する階段の壁に可愛いラベルが貼ってあった。
SOMPO美術館 |
SOMPO美術館 |
SOMPO美術館・カフェ |
3.住友三角広場
新宿住友には、久しぶりに来てみたが、三角広場として広いスペースがとられていて以前とは違う雰囲気があった。
新宿住友ビルは、1974年に竣工した。 西新宿高層ビル街の草分け的存在で、完成当時日本一の高さを誇り、オフィスだけではなく、飲食物販・スポーツ・カルチャーなど複合商業ビルとして企画されたことが画期的だった。 その三角柱状の形態から「三角ビル」などの愛称もある。
2020年に老朽化に伴う大規模改修工事が完了し、これまでの三角広場に大屋根を設け、天候によらずイベントができる、全天候型イベントスペース「三角広場」がつくられた。
三角広場の大屋根 三角広場の大屋根 三角広場 三角広場の大屋根 三角広場に置かれた次のイベント用のマネキン イベント用のマネキン イベント用のマネキン
ロートレック展は、フィロス・コレクションという個人コレクションによる展覧会で、このコレクションはロートレックの素描などが中心ということで、絵画はありませんでした。ポスターは、「文字のせ前」の原画が展示されていて、文字の入ったポスターと並べて観ることが出来ました。
SOMPO美術館には、この間、「北欧の神秘」展で訪れましたが、近くにある住友三角ビルに久しぶりに寄りました。かつては三角の高層ビルの吹き抜けに驚きましたが、新しくつくられた大屋根の構造にも驚きました。
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