東京異空間177：明治大学博物館

 

明治大学博物館

山の上ホテルの近くに明治大学駿河台キャンパスがあり、そのなかに博物館があるので、寄ってみました。

１．明治大学博物館

2004年にオープンした新校舎アカデミーコモンに、それまで大学会館内にあった刑事・商品・考古学の３博物館を統合して明治大学博物館が開館した。

展示は、旧の3館から引き継いだ商品部門・刑事部門・考古部門と、大学史展示室、特別展示室から構成されている。特徴的なのは、刑事部門で、西洋、日本の刑罰に関わる資料が展示されている。

銅鐸

銅矛

埴輪

埴輪

埴輪

埴輪

清朝刑罰図

鉄の処女と恥辱罪・ギロチン

火刑の図

磔刑の図

また、館内の一部屋には、明治大学OBである作詞家、作家の阿久悠記念館がある。 これは遺族から、自筆原稿をはじめとする阿久関係資料およそ１万点が寄贈されたことを受け、2011年にオープンした。作詞家・阿久悠（1937～2007）は、都はるみの『北の宿から』、沢田研二の『勝手にしやがれ』、ピンク・レディーの『ＵＦＯ』などの大ヒット曲をはじめ、アニメソングやＣＭ曲まで幅広いジャンルでヒット曲を数々世に送り出した。そのレーコードジャケットが展示されている。

阿久悠記念館

レーコードジャケット

また、猿楽町側には、「米沢嘉博記念図書館」が設けられている。これは、2009年にマンガ評論家・米沢嘉博（1953-2006）の蔵書の寄贈を受け、2009年に開館した。さらに、翌2010年には漫画収集家・内記稔夫（1937-2012）が築いた「現代マンガ図書館」を引き継ぎ、運営している。この両館を拠点にしてマンガ・アニメ・ゲームのさまざまなコレクションの寄贈の受け入れとその整理を行いつつ、これらの保存・運用の器となる「明治大学東京国際マンガミュージアム」（仮称）の設立準備が進められている。

米沢嘉博コレクション

内記稔夫コレクション

２．明治大学のはじまり

明治大学のはじまりは、大学南校から優秀な生徒を抜擢して設立された司法省明法寮で学び、司法省法学校の第一期卒業生となった青年法律家たちが、1881年に創設した明治法律学校を前身とする。当初は、有楽町数寄屋橋にあった旧島原藩上屋敷「三楽舎」を校舎として開校したが、その後、1886年に現在の駿河台に校舎を構えた。

近代国家を樹立する上で近代法制度の確立が最重要課題であった明治政府は、近代法制度の確立とその運用にあたる官僚の養成が急務となっていた。こうした課題を担う機関として、1871年、司法省明法寮（後に司法省法学校）が創設された。 明治大学の創立者である岸本辰雄、宮城浩蔵、矢代操は、この司法省法学校のうちの3名であり、日本で西洋近代法を習得した第一世代にあたる。

明治のこの時期には、五大法律学校といわれる専修学校（現・専修大学）、東京法学校（現・法政大学）、東京専門学校（現・早稲田大学）、英吉利法律学校（現・中央大学）が創られた。

いまや、明治大学は志願者数ではトップクラスであり、駿河台キャンパスをはじめ、生田、和泉のキャンパスに加え、2013年には第4のキャンパスとして中野キャンパスを開設している。

校章

旧駿河台校舎

旧駿河台校舎

３．大学博物館・ミュージアム

各大学には、それぞれ特色のある博物館・ミュージアムが設立されている。今回訪れた明治大学博物館、米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館のほかに、これまで行ったことのある大学博物館・ミュージアムをあげておく。

〇東京大学綜合研究博物館（本郷）、インターメディアテク（丸の内）

「東京異空間159：東大・本郷キャンパスⅥ～学知の空間」2023/11/29

「東京異空間145：「インターメディアテク」(IMT)を観た」2023/08/29

〇慶應義塾大学ミュージアム・コモンズ、慶應義塾史展示館

「東京異空間115:建築と美と歴史～慶應義塾大学三田キャンパス」2023/05/19

「東京異空間114:北斎と国芳～慶應義塾ミュージアム・コモンズ」2023/05/19

〇早稲田大学會津八一記念博物館、坪内博士記念演劇博物館、村上春樹ライブラリー

「東京異空間161：早稲田大学キャンパス」2023/12/02

〇立教大学、立教学院展示館・メーザーライブラリー記念館

「東京異空間164：立教大学の歴史的建造物と歴史的人物」 2023/12/12

〇日本大学芸術学部芸術資料館

「東京異空間63:二つの写真展を観た～土門拳と奈良原一高」2022/06/01

〇東京工芸大学写大ギャラリー

「東京異空間152：芸術の秋にⅦ～立木義浩　肖像/時＠写大ギャラリー」2023/10/19

「東京異空間109:写真展「光の系譜」～写大ギャラリー」2023/05/06

〇東京芸術大学美術館

「上野の建築（家）と彫刻（家）めぐる」2019/12/20

〇國學院大學博物館

〇駒澤大学禅文化歴史博物館

〇実践女子大学香雪記念資料館