半蔵門ギャラリーで開催されていた「小川晴暘と飛鳥園 100年の旅」(2024.9.11~11.24)を観てきました。
写真家小川晴暘(おがわ せいよう 1894-1960)が創立した、仏像撮影専門の写真館「飛鳥園」は、の2022年に創立100年を迎えたということで、その歩みを小川晴暘・光三親子の写真作品 を中心に展示されています。
1.小川晴暘と飛鳥園
小川晴暘は1894年、兵庫県姫路市に生まれた。1922年、朝日新聞社に在籍していた晴暘は、會津八一の熱心な勧めを受け、仏像などの文化財を撮影するため、奈良に「飛鳥園」を創業した。 戦後も、晴暘の三男・光三が引継ぎ、仏像をはじめとする多くの文化財等を撮影している。
小川の仏像写真は、黒をバックにし、ライティングによりモノクロで仏像の美しさを撮った。飛鳥園を引き継いだ光三は、カラーにより仏像を撮ったが、バックは黒にするなど、作風を引き継いでいる。
仏像写真家としては、写真の草創時代、明治期において、横山松三郎(1838-1884)、小川一眞(1860 - 1929) 、工藤利三郎(1848-1929)が文化財としての仏像写真を撮った。大正から昭和にかけては、小川晴暘(1894-1960)、坂本万七(1900-1974)、入江泰吉(1905-1992)、土門拳(1909年 - 1990) 、藤本四八(1911-2006) 、等が美術としての仏像写真を撮った。とりわけ奈良の仏像を撮った小川晴暘、 入江泰吉、 土門拳はよく知られている。
(参照):
東京異空間181:「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」展@印刷博物館(2024.2.19)
東京異空間102:仏像写真と美人画~東京都写真美術館・松岡美術館(2023.4.19)
東京異空間63:二つの写真展を観た~土門拳と奈良原一高(2022.6.1)
東大寺法華堂 月光菩薩像 |
新薬師寺金堂 十二神将・伐折羅大将像 |
中宮寺 菩薩半跏像(伝如意輪観音菩薩像) |
雲崗石窟 如来坐像 |
2.半蔵門ミュージアム
半蔵門ミュージアムは宗教法人・真如苑が所蔵する仏教美術品を展示する施設として、2018年に開館した。中でも運慶作と推定されている大日如来像がよく知られている。
半蔵門ミュージアムの大日如来像は、2004年にその所在が知られ、2008年にはクリスティーズのオークションに出品され、名作の国外流出か、と話題になった。これを真如苑が落札し、2008年に真如苑真澄寺の所蔵となり、2018年から半蔵門ミュージアムで一般公開(常設展示)されている。
左側に大日如来像の展示 小川晴暘 仏像のモノクロ写真の展示 小川光三 仏像のカラー写真の展示
0 件のコメント:
コメントを投稿