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根津神社「つつじ園」 |
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根津神社・鳥居(表参道口) |
都内のつつじの名所として知られる根津神社に行ってきました。練馬駅前の「平成つつじ公園」に続いての、つつじ巡りとなりました。
1.つつじ園
根津神社のつつじは、江戸時代、この地が甲府藩主・徳川綱重(5代将軍・綱吉の兄)の下屋敷であったときに、植えられたのが始まりだという。
現在のツツジは、戦災で被災した社殿の修復が終わった後、荒れはてていた丘に、商店会、町会の人たちが、いわば町おこしとして新しく増植した。それが広まり、今では、100余種約3000株のつつじが広い斜面を色とりどりに覆い尽くす景観は、都内のツツジの名所として知られている。
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刈り込まれたつつじ |
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赤い千本鳥居は乙女稲荷神社 |
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丸く刈り込まれたつつじ |
2.色々なつつじ
つつじの種類も多く、真っ赤なつつじ、黄色のつつじなど色鮮やかなつつじも多く、刈り込まれたつつじの間を通って、上から俯瞰しながらも観ることができる。
たくさんのつつじ中に、前回練馬の「平成つつじ公園」で見て、思わず納得した「老の目覚」が、やはりプレートとともに植えられていた。そのときは「老の自覚」と読んでしまったが、「目覚」が正解のようだ。(東京異空間「つつじを楽しむ~平成つつじ公園」2023/4/17)
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アヤメも |
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「老の目覚」クルメツツジ |
3.池とつつじ
神橋を渡ると、左手に小さな池がある。水面につつじの色が映る。池の石の上に亀が甲羅干ししていた。つつじ祭りの賑わいをよそに、「我関せず」といった風貌に見えた。
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神橋 |
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池に映るつつじ |
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鯉も |
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亀も |
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「我関せず」? |
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水面も紫のつつじ色 |
4.社殿とつつじ
社殿は、5代将軍綱吉が跡継ぎを綱重の長男の「綱豊」(のちの6代将軍・家宣)に定めたとき、その産土神(うぶすながみ)を立派にしようと、甲府藩下屋敷のあった当地に天下普請により造営したという。(1706年)日光東照宮などと同じ権殿造で、楼門、透塀(すきべい)も含め、今も残る江戸時代の建物である。
神社は「根津権現」とも呼ばれていたが、明治の神仏分離により本地垂迹思想に基づく「権現」が使うことが出来なくなり、「根津神社」に改称した。社殿には、卍の文様が飾られ、神仏習合であったことを示している。
御祭神は、須佐之男命(スサノオノミコト)、大国主命(オオクニヌシノミコト)、菅原道真であり、ヤマト王権に歯向かって潰されたとされる出雲王権の神様と、太宰府に流され恨み死した天神様が祀られている。
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楼門 |
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楼門 |
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楼門 |
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楼門 |
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卍の文様が見られる社殿 |
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社殿 |
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社殿 |
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卍の文様も |
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透塀(すきべい) |
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透塀から |
5.乙女稲荷とつつじ
社殿の造営には、多くの大工や左官、人夫が集まったことから、門前に岡場所(遊郭)もできた。その遊女たちも篤く信仰して詣でたというのが、乙女稲荷神社である。
つつじ園に沿って続く赤い千本鳥居が人気で、多くの人がくぐり抜けている。古くは穴稲荷と呼ばれて祀られており、現在の社殿は昭和31年(1956)に建てられたもの。
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楼門の横に乙女稲荷神社の鳥居 |
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乙女稲荷神社・鳥居 |
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千本鳥居 |
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乙女稲荷神社・社殿 |
6.駒込稲荷とつつじ
駒込稲荷神社は、もとは徳川綱重の屋敷の守り神として祀られていた。社殿の前には、狐塚が置かれている。
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駒込稲荷神社・社殿の前の狐塚 |
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駒込稲荷神社 |
7.庚申塔
ここにも6基の庚申塔がまとめられている。横にある説明板によると、一番古いのは「寛永9年」(1632)の記があり、区内では現存する最古のものだという。
さらに「賽の大神」の石碑があり、古くは駒込の追分にあったもので、明治6年(1873)に建立されたものが移設されたという。
賽の神というのは、村や部落の境にあって、他から侵入するものを防ぐ神で、邪悪なものを防ぐ「賽(とりで)」の役割を果たすものとされる。道祖神である。
こうした庚申塔や道祖神がここに置かれているということも、庶民の信仰を多くあつめた神社であったということだろう。
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6基まとめられた庚申塔 |
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寛永9年の年号が入った庚申塔 |
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賽大神 |
根津神社はつつじの名所として知られていますが、この時期には「つつじ祭り」が開かれ、参道には屋台も出て、多くの人で賑わいます。今年のつつじは、桜と同様、開花が早く、4月上旬には、早咲きのつつじが見ごろになったようです。
つつじ園に入るのも行列、社殿に参拝するのも行列、乙女稲荷の千本鳥居を抜けるのも行列、神社の外に出れば、食事処にも行列、たこ焼き屋にも行列、どこも行列が出来ていました。とくに目立ったのは、こうした行列に外国人の方が多く並んでいたことです。
この異空間に、「権現様」もびっくりされているのではないでしょうか?
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