2020年3月30日月曜日

日光山3:輪王寺・大猷院・二荒山神社

中禅寺湖からくだって、日光の中心にある社寺を巡りました。訪れたときは、みぞれ交じりの雪が降り、神域にふさわしい光景を見ることができました。
二荒山神社・神橋

輪王寺と二荒山神社は、男体山を霊山とする山岳信仰の社寺として、奈良時代に勝道上人によって創建されたとする。神仏習合により、山内の仏堂、神社をすべて含めて「日光山」あるいは「日光山所権現」といわれていた。
平安時代には、空海(真言宗)、円仁(天台宗)が来山したという伝承があり、円仁が三仏堂、常行堂、法華堂を創建したとされる。
輪王寺の本堂には、千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の三体が本尊として安置されている。そのため三仏堂ともいわれ、それぞれが、日光山の男体山(父)・女峰山(母)・太郎山(子)の本地仏とされている。
常行堂は、孔雀座に坐した阿弥如来を本尊とする。また「魔多羅神」という異神が内陣の奥に祀られ、秘仏になっているという。
法華堂を含めたこれらの堂宇は、比叡山(天台密教)に模して建てられている。
 
勝道上人像


輪王寺・本堂

輪王寺・本堂(三仏堂)から

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・三仏堂

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・大護摩堂

輪王寺・常行堂

輪王寺・常行堂

大猷院は、徳川三代将軍家光の廟所として建てられた。死後も家康(東照大権現)にお仕えするという遺言に従い、東照宮の近隣する場所に、しかし、東照宮を凌ぐことのないよう、やや小規模に、彫刻や色調も控えめに造られた堂宇となっている。
仁王門、水屋、二天門、鐘楼・鼓楼、夜叉門、拝殿・相の間・本殿(金閣殿)、皇嘉門など、それぞれ美しい装飾や彫刻で飾られた建物が並ぶ。とりわけ金閣殿といわれる拝殿・相の間・本殿は豪華であり、国宝となっている。
仁王門





水盤舎

水盤舎

水盤舎

夜叉門

夜叉門


雷神

風神

鐘楼・鼓楼

鐘楼・鼓楼

鐘楼・鼓楼

鐘楼・鼓楼

鐘楼・鼓楼

拝殿

夜叉門

拝殿・相の間・本殿


拝殿・相の間・本殿

拝殿・相の間・本殿

皇嘉門・奥に家光墓所

二荒山神社は、男体山をご神体として祀る神社で、東照宮の近くにある本社と男体山の頂上にある奥宮、中禅寺湖畔にある中宮祠(本社と奥宮の中間の祠という意味)がある。さらに日光への入口ともいえる大谷川に架かる神橋もあり、神域としては華厳の滝やいろは坂も含まれるという。
本社境内の奥に石を積み上げてつくられている山に剣が立てられているが、実際に男体山の頂上には剣が据えられているという。
 
二荒山神社

二荒山神社


二荒山神社・化燈籠






二荒山神社・剣

男体山頂上の剣(ポスター)

二荒山神社

二荒山神社

杉並木


輪王寺(本堂)を訪れたときは、みぞれ交じりの雪となり、平成の大修理を終えた三仏堂の朱色が雪に交じって幻想的にも見えました。
大猷院は、東照宮(家康)より控え目に造られたとはいえ、細部に至るまで見事な造りとなっていて見ごたえがありました。
また、常行堂に祀られているという「魔多羅神」については、唐に学んだ円仁が帰国の船において、「我が名は魔多羅神。我こそは障礙神なり。我を祀らねば往生の願いは達せらぬと知れ」という、この神のお告げを聞き、円仁は比叡山の常行堂にこの神を勧請し、阿弥陀信仰を始めたという伝承があるそうです。
本尊の阿弥陀仏の裏側、堂の後戸に控える神ともされ、阿弥陀如来の守護神として、より真理を体現する秘神として、また神への芸能の場であったことから芸能の神としての一面を持つ、反面、後戸に置かれるということは、正統なる者では無いということから、虐げられし者の神としても扱われるという摩訶不思議な神のようです。
このような「異神」といわれる「魔多羅神」、できるものなら秘仏を見てみたいものです。

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